切れ痔といぼ痔の違いとは?画像付きで症状と対策を紹介
痔にはさまざまな種類があります。
こちらのページでは、特に発症する確率が高い「切れ痔」と「いぼ痔」についてご紹介。
2つの症状の違いや、それに伴う対策の違いなどについても解説していきます。
まずは、切れ痔といぼ痔それぞれの症状を紹介していきます。
排便時に激しい痛みを伴う切れ痔
切れ痔は別名「裂肛」と呼ばれており、文字通り肛門の皮膚が切れたり、裂けたりした症状です。
症状の特徴として、発症初期の段階から排便時に激しい痛みや出血を伴います。
症状がひどくなると裂け目が深くなり、そこに汚い物質がたまって炎症を引き起こすこともあります。
炎症を放置し続けると膿を排出するようになり、潰瘍やポリープができて、肛門が狭くなってしまう肛門狭窄という症状にまで悪化することがあります。
切れ痔の症状については、こちら詳しく紹介しているので合わせてご覧ください。
痛い・かゆい・出血!切れ痔を放置することで悪化する症状と自宅での治し方
肛門にぷにぷにした出来物ができるいぼ痔
「痔核」と呼ばれるいぼ痔は、肛門付近にある静脈叢と呼ばれる部分が強い圧迫を受けるなどして鬱血し、いぼ状の腫瘤ができる症状です。
腫瘍が肛門の内部にできることを内痔核、肛門の外部にできることを外痔核といい、発症のメカニズムは同じですが、その症状は異なります。
内痔核の場合、初期から排便時に出血を伴いますが、ほとんど痛みをともなわないことが特徴です。痛みがない理由は、肛門内部にある歯状線より内側の粘膜部分に痔核が発生するからです。
しかし、症状が悪化すると腫瘤が大きくなり、痛みや炎症が増していきます。さらに排便時にきばると腫瘤が肛門の外に脱出し、最終的には指で押しても戻らなくなってしまいます。
外痔核の場合、内痔核と異なり排便時の出血が少ないですが、初期段階から痛みを伴います。また症状が悪化すると炎症を起こして腫瘤の中に血の塊ができます。
いぼ痔の症状については、こちら詳しく紹介しているので合わせてご覧ください。
【画像あり】ぷにぷにした突起物はいぼ痔!薬や手術での治し方や応急処置方法を紹介
そんな症状の違いがある、切れ痔といぼ痔ですが、見た目的にはどのように違うのか?
イラストと実際の画像で紹介していきます。
切れ痔といぼ痔の違いをイラストと写真で確認
切れ痔といぼ痔の違いをイラストと写真と共に確認していきます。
切れ痔 (肛門裂傷)
切れ痔は肛門の表面に切れ目が入っている状態です。
このあたりは神経が過敏で、小さな傷でも激しい痛みが走ります。裂傷は慢性化すると潰瘍となり、さらに炎症を起こします。
いぼ痔(内痔核)
内痔核は、切れ痔のように表面ではなく、内部に症状が発生している状態です。
肛門内部に腫瘍ができるため痛みはありませんが、状況によってはプニプニしていたり、硬くなったりしています。
こちらは実際の内痔核の画像です。
いぼ痔(外痔核)
外痔核は、肛門の外に腫瘍ができており、知覚神経を刺激するため痛みがあります。
触った感じは内痔核と同じくぷにぷにしたり、硬くなったりしています。
こちらは実際の外痔核の画像です。
切れ痔といぼ痔それぞれの発生原因の違い
切れ痔と、いぼ痔が発生してしまう原因は異なるため、それぞれ解説します。
切れ痔は便秘や下痢が主な原因
切れ痔は肛門の皮膚が切れたり、裂けることで発症する病気です。
肛門の皮膚が切れる理由は様々ありますが、もっとも大きな理由は
- 便秘による太い便や硬い便
- 勢いよく出る下痢
です。
これらの便が肛門を通過する際に、肛門に傷をつけたり、裂け目を生みだしてしまうのです。
いぼ痔は便秘による強いいきみや長時間同じ体勢でいることが原因
いぼ痔は、肛門付近にある静脈叢が強い圧迫を受けるなどして鬱血することで発症します。
原因としては、
- 便秘による強いいきみ
- 長時間同じ体制でいつづけること
などがあります。
女性の場合は「妊娠・出産」をきっかけに発症することもあります(出産時の強いいきみ、出産後の便秘などが理由)
切れ痔といぼ痔共通の原因である便秘や下痢の原因としては、
- 肉食過多の食生活
- 過度のアルコール摂取
- ストレスによる免疫力の低下
- 慢性的な運動不足
などが挙げられるので、日常生活にも注意が必要ですね。
切れ痔といぼ痔は痛みの感じ方が異なる
同じ痔でも、切れ痔といぼ痔では感じる痛みが異なります。
切れ痔の痛み
切れ痔の場合は、初期の段階から“ピリピリとした激しい痛み(激痛)”が感じられます。
重篤化すると、まるで“刃物で肛門をえぐられるような痛み”へと発展し、脂汗を流してその場でうずくまってしまうという方もいるほどです。
いぼ痔の痛み
いぼ痔の場合は、内痔核であれば初期症状ではほとんど痛みがなく、肛門内部の異物感や、排便時の残余感を感じる程度です。
しかし、重篤化すると“ズキズキとした痛み(鈍痛)”を感じたり、便器を赤く染めるほど出血したり、腫瘍が肛門の外に飛び出したりします。
外痔核は、切れ痔ほどの激しい痛みはありませんが、肛門の外に腫瘍ができるため、下着などで擦れる分、内痔核よりも痛みを感じやすいという特徴があります。
排便時に出血するのは、いぼ痔と切れ痔どちらの症状?
「いぼ痔は排便時に出血するけど、切れ痔は出血しない」といった意見や、その逆の意見があったりします。
ただ、実際はどちらの痔も排便時に出血を伴う可能性があります。
初期症状であれば内痔核がもっとも出血を伴いやすいですが、重篤化した場合はいずれの痔も大差はありません。
出血の特徴としては、内痔核の場合は内部で出血していることが多いため、黒ずんだ便になることがあります。
一方、切れ痔の場合や、重篤化したいぼ痔(内痔核・外痔核共通)は排便時に鮮血を伴うことが多いため、便器を赤く染めてしまうことがあります。
軽度な切れ痔といぼ痔、それぞれ市販薬の選び方
軽度な切れ痔やいぼ痔であれば、市販薬で治療できる可能性があります。
痔の外用薬には、症状の炎症を抑えたり、痛みや痒みを静めたり、殺菌作用のある成分が含まれています。
ただ、どこに塗るか痔の症状によって異なるため、選び方をご紹介します。
切れ痔の市販薬の選び方
切れ痔は肛門の外側にできる痔症状であるため、軟膏タイプの薬か、注入軟膏を選ぶようにしましょう。
また、痛みを抑えたい場合には鎮痛効果や止血作用、炎症を抑える成分などが配合されている内服薬と併用することをおすすめします。
傷の深さにも左右されますが、通常10日程度を目安とし、10日間薬を使い続けても変わりなく痛みが続くようであれば、すでに重篤化している可能性が高まるため、次の治療に移りましょう。
いぼ痔の市販薬の選び方
内痔核の場合は坐剤や注入軟膏を選ぶようにしましょう。
注入軟膏は内痔核と外痔核両方の痔に使える薬ですが、内痔核に使用する場合は容器のノズルを肛門内に挿入し、ゆっくりと注入するように使用します。痛みや出血がひどい場合は切れ痔と同様に内服薬との併用もおすすめです。
完治するまでの治療期間は症状によって変わりますが1~2週間で治るパターンが多いとされています。薬を使用し始めて1~2週間で効果が出ないようであれば、すでに重篤化している可能性が高まります。
外痔核の場合は軟膏タイプの薬を選びましょう。
内痔核でも紹介した注入軟膏を、軟膏と同じように塗って使うという方法もあります。切れ痔や内痔核と同様、痛みや出血がひどい場合は内服薬との併用もおすすめします。
たいていの場合、薬の使用から3~4日間で痛みや腫れが引き、その後3~4週間かけて痔核が徐々に消滅していきます。薬を使用しても、一向に痛みや腫れがひかない場合は、重篤化している可能性が高いため、次の治療に移りましょう。
重篤化した切れ痔といぼ痔は手術で治すという選択肢もあるが、、
市販薬では治せないほど重篤化してしまった場合は、手術で治す方法もあります。
ただ、一時的に治るけれどもリスクもある為、そちらも合わせて紹介します。
重篤化した切れ痔の治し方
病院で症状を確認するところから治療が始まります。
基本的には外来措置で治療を進めていきますが、症状の度合いによっては手術を勧められる可能性があります。
代表的な手術方法としては以下の3種類です。
- 用手肛門拡張手術:切れ痔によって引き起こされた軽度の肛門狭窄を改善するための手術
- 内括約筋側方皮下切開術:肛門括約筋の緊張が強いことが切れ痔の原因と判断され、慢性的に切れ痔ができる場合に行われる手術
- 皮膚弁移動術:切れ痔が慢性化して潰瘍や肛門ポリープ、見張りイボが形成されたり、さらに肛門狭窄がひどい場合に行われる手術
症状によりますが日帰りでできる手術もあれば、入院を要する手術もあります。
また、いずれの手術も術後すぐに完治するというわけではなく、基本的に術後10日は安静にする必要があります。
重篤化した、いぼ痔の治し方
切れ痔と同じく、まずは症状の状態を正しく確認するところから治療が始まります。
症状によっては外来措置で治療できるものもありますが、入院を要する手術もあります。
代表的な物としては以下の3種類が挙げられます。
- ゴム輪結紮療法:内痔核の根元に輪ゴム輪をはめ込み、縛って血流を止め、痔核を壊死させる手術
- 注射療法(ALTA療法):痔核を切除せずに治す手術。アルミニウムカリウムタンニン酸液(ALTA)と呼ばれる注射液を患部に直接打って痔核を線維化(硬化)させ、半永久的に固定・縮小させる)
- 結紮切除術:ゴム輪結紮療法や注射療法では対処できない場合の手術。痔核を根元部分から糸でしばって、放射状に根こそぎ切除する
ただし、痔の手術を受けるとで痔の症状が完治することはありますが、根治することはありません。
状態によっては、痔の手術を受けても再発するリスクがあるので、そちらもご紹介します。
痔の手術をしても再発リスクがある
どのタイプの痔の手術を行っても、手術を行う前から再発率といわれる不快な数字がつきまとい、それが0%になることはありません。
ヒサヤ大黒堂では、痔とは有害な老廃物を原因とする内因性の内臓疾患であり、体内に病根がある限り、何度も発症を繰り返す病と考えています。
つまりメスを使って病変部を切除したとしても、病根が残っている限り、根治に至ることはできないのです。
そこは理解した上で、痔の手術を検討することをおすすめいたします。
痔の手術は再発や術後の入院期間のリスクを考えて判断する
切れ痔といぼ痔の予防方法の違い
切れ痔といぼ痔は日常生活の中で様々なことを意識することで、その発症を予防することができます。
予防方法の多くは共通するものが多いため、ここでは各症状の共通の予防方法についても紹介します。
切れ痔の予防方法
切れ痔は「便秘による太い便や硬い便」、または「勢いよく出る下痢」が、肛門を通過する際に発症するパターンがほとんどです。
ですので、まずは便秘や下痢にならないようにすることが大切です。便秘や下痢にならないための予防方法については後述します。
そのほかにも「排便後に紙で拭きすぎないようにする」など、肛門に対して強い刺激を与えないように努めましょう。
いぼ痔の予防方法
いぼ痔は、肛門付近にある静脈叢が強い圧迫を受けるなどして鬱血することで発症します。
鬱血をするタイミングは様々ですが、それらを回避することで、痔の発症を予防することができます。具体的な方法としては
「便秘中の排便時にいきみすぎないこと」
「入浴で肛門を温め血行促進すること」
「肛門括約筋トレーニング」
などが挙げられます。
それぞれの具体的な方法についてはリンク先にて詳しく解説しているので、そちらからご確認ください。
共通の予防方法
便秘や下痢は、切れ痔やいぼ痔の原因となっています。便秘や下痢を発症させないための方法を以下にまとめます。
- 食物繊維や乳酸菌を摂る
- 野菜やいも類、豆類、きのこ類、海藻などに含まれる食物繊維は、腸内で水分を吸収して便のかさを増やし、さらに便を軟らかくする効果があります。またヨーグルトや発酵食品などに含まれる乳酸菌には整腸作用があります。
- 偏った食事をしないこと
- 便秘や下痢は腸内環境の乱れによって生じますが、特に腸内で悪玉菌を増やしてしまうような食材の過剰摂取には注意が必要です。悪玉菌を増やす料理の例としては、タンパク質を含んだ肉料理や、脂質を含んだ脂っこい料理、砂糖を使った料理などが挙げられます。
- 毎日欠かさず朝食をとる
- 食のリズムが悪い方、特に朝食を抜いているという方は、便秘や下痢になりがちです。きちんと朝食をとることで腸が活発に動き出し、便意を誘発させます。さらに起床直後に、冷たい水をコップ一杯飲むだけでも、腸への良い刺激になるので実践してみましょう。
- 規則正しく十分な睡眠をとる
- 慢性的な寝不足や不規則な生活を送ると、自律神経に乱れが生じて免疫力が低下し、便秘や下痢の原因になってしまう可能性があります。起床時間と就寝時間を固定化し、睡眠の質を上げて、生体リズムを整えるようにしましょう。
- ストレスを溜めないこと
- 肉体的ストレスや精神的なストレスが慢性化するとストレスホルモンが過剰に分泌され、自律神経に乱れが生じます。趣味に没頭するなど自己流のストレス発散法を身につけましょう。
- 運動不足の解消に努める
- 慢性的な運動不足は細胞の活性化を妨げ、免疫力を低下させてしまう要因の1つです。日頃から適度に汗を流し、運動不足にならないように心がけましょう。
切れ痔でもいぼ痔でも早期治療が重要!
今回の記事では切れ痔といぼ痔の症状の違いや、治し方、予防方法について解説しました。
いくら予防していても一度発症してしまっては自然治癒が難しいのが、痔という病気の辛いところです。発症後は速やかに市販薬を試してみたり、手術を検討してみたりするのもいいでしょう。
ただ、痔の治療の手段は、市販薬や手術だけではありません。
ヒサヤ大黒堂の家傳薬「不思議膏」は力強い浸透力で、体内の病根に働きかけ、有害な老廃物を吸収し、手術によるメスでは取り除けないような病根を除去していきます。
症状の治まりではなく「根治」を目指す方にとって最良の選択肢になり得る薬と言えます。
手術とは別の方法で治療をしたい、痔の苦しみから解放されたいという方。ぜひ、不思議膏を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
痔の症状でお悩みの方に不思議膏をオススメできる理由