コーヒーは痔の原因になる?カフェインの過剰摂取には気をつける

朝食時や仕事中など、コーヒーを日常的に飲まれている方が多くいらっしゃいます。

カフェインには、眠気や疲労感を抑制するなどの良い効果がありますが、過剰に摂取してしまうと痔を発症したり、悪化させる原因にもなってしまいます。

こちらのページでは、コーヒーが痔を発症、悪化させてしまう原因と、コーヒーを飲む際に気をつけるポイントについてご紹介します。

コーヒーは便秘や下痢を誘発するので要注意

いぼ痔や切れ痔を発症させ、悪化させてしまう主な原因に便秘や下痢がありますが、コーヒーはそのどちらの原因にもなり得る飲み物です。

便秘と下痢は相反するようにも思われますが、実際コーヒーの何が便秘を誘発し、下痢をもたらすのかを説明します。

コーヒーが原因で便秘になる理由

便秘に対する効果的な予防として、便を柔らかくするために水分を充分にとることが挙げられます。

1時間にコップ1杯、1日にして1.5〜2ℓ程度の水分摂取が望ましいと言われています。

その際、気をつけたいのが、カフェインレスの飲み物(水や麦茶など)を摂取するようにすることです。

コーヒーをはじめ、紅茶や緑茶などカフェインが入っている飲み物は、尿量を増やす効果があり、便のための水分として体に残りません。

充分に水分をとっていても、それがコーヒー中心になると、便秘に繋がってしまうというわけです。

コーヒーが原因で下痢になる理由

カフェインには交感神経を刺激する覚醒作用と呼ばれる効果があります。

適度であれば、眠気を抑制させるなど良い効果をもたらしますが、過剰に摂取すると、交感神経への刺激が強くなりすぎて、胃腸の活動サイクルを乱して、下痢を誘発させてしまいます。

またコーヒーにはクロロゲン酸と呼ばれる成分が含まれており、こちらは胃腸の活動を活発化されるものです。

適量であれば食欲不振の改善などに効果的ですが、過剰に摂取すると、胃腸の活動サイクルが乱れさせてしまう恐れがあります。

普段コーヒーを飲みすぎても便秘にならない方には下痢になるリスクがあり、下痢にならない方には便秘のリスクがあります。

いずれにせよ、コーヒーの飲み過ぎは痔の原因になりうるということを覚えておきましょう。

コーヒーを飲む際に気をつけるポイント

飲み過ぎると痔を誘発・悪化させてしまうコーヒーですが、適量であれば眠気や疲労感の抑制や、食欲不振の改善などに期待できる飲み物です。

ここでは痔にならないために意識したいコーヒーを飲む際に気をつけるポイントをまとめて紹介します。

1日にコーヒーはどれくらいを目処に飲むべきか?

カフェインが身体にもたらす影響については個人差が大きく、実は1日あたりの明確な上限量は決められていません。

しかし、アメリカの保健福祉省(DHHS)および、農務省(USDA)からは「健康な大人であれば、カフェインは1日400mgまで」という目安となる数値が発表されています。

コーヒーに含まれるカフェイン量は、カップ1杯(150ml)あたり約90mgなので、1日の上限は4〜5杯が目安になります。

あくまでこれは上限であって適量ではないので注意しましょう。

痔を予防するために朝空腹時のコーヒーには気をつける

コーヒーを飲んではいけない(飲まない方が良い)タイミングとして一般的に知られているのは睡眠を妨げる可能性がある就寝前と知られています。

しかし、痔の誘発・悪化に関しても実は飲んではいけない(飲まない方が良い)タイミングが存在します。

特に気をつけなければならないのは起床後すぐの“朝一のコーヒー”です。

朝はカフェインを吸収しやすく、さらに空腹状態であるため、胃腸に負担をかけてしまいます。

朝のコーヒーは朝食と合わせて飲むか、食後に飲むようにしましょう。

日中もなるべく空腹時を避けて飲むことをおすすめします。

コーヒー以外の飲み物を飲むようにする

人は1日あたり1.5〜2ℓ程度の水分摂取が望ましいですが、そのほとんどをコーヒーで摂取してしまうと便秘や下痢を誘発してしまいます。

コーヒーは4〜5杯を限度として、そのほかの飲み物から水分を摂取するようにしましょう。

その際、気をつけるべきはコーヒーと同じようにカフェインの入っている飲み物を飲まないことです。

紅茶やほうじ茶、烏龍茶などコーヒー以外にもカフェインの入った飲み物はたくさんあり、玉露や抹茶のようにコーヒーよりもカフェインが豊富な飲み物も存在します。

カフェイン摂取を避けるのに一番良いのは水ですが、麦茶やルイボスティーなどカフェインの入っていないお茶もあります。

以下にまとめますので意識して選ぶようにしましょう。

カフェインを含む飲み物
紅茶、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、番茶、かまいり茶、玉露、抹茶、烏龍茶
カフェインを含まない飲み物
麦茶、はと麦、ルイボスティー

また、どうしてもコーヒーが飲みたい場合にはカフェインレスのコーヒーなどもあるのでおすすめします。

コーヒー以外でも便秘や下痢を避ける努力を

当然のことですが、コーヒーを飲む・飲まないだけで便秘や下痢を予防できるわけではありません。

日常生活において様々なことを意識することが大切です。

朝ごはんはしっかり食べること

快便のためには三食を規則正しく取ることが大事です。

特に朝食は最も重要で、朝に食事をとることで腸が活発に動きだし、便意を生じやすくなります。

起床時に冷たい水を飲むことで、腸への刺激となるので効果的です。

バランスのよい食事をとること

三食きちんととっていても、中身が伴っていなければ痔を誘発・悪化させてしまいます。

日々の食事内容を見直し、便秘予防に効果的な食材を多く摂取するようにしましょう。

代表的な食材としては以下のものが挙げられます。

野菜や果物
ニンジンやキャベツ、トマトなどの野菜や、リンゴやミカンなどの果物には、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。腸内の善玉菌を増やす効果が期待でき、やわらかい便を作る働きを持っています。
大豆やきのこ、根菜
大豆やきのこ、イモ類やごぼうなどの根菜、玄米やオートミールなどには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。便のかさを増し、便通を促進してくれます。
乳酸菌を含む発酵食品
発酵食品に豊富に含まれている乳酸菌は腸内を弱酸性にすることで悪玉菌の増殖を抑えると同時に、善玉菌を増やす効果が期待できます。
オリゴ糖を含む食材
玉ねぎやアスパラガスなどの野菜類や、ハチミツなどに含まれるオリゴ糖は、腸内で善玉菌を増やすエサとなる成分です。ミネラルの吸収も高めてくれ、腸内環境の改善を促してくれます。

適度な運動で痔の発症を防ぐ

適度な運動は血流を良くし、痔の原因となる静脈層の鬱血を緩和させることに期待できます。

特に効果的なものに、肛門の引き締め運動を行う肛門括約筋トレーニングという方法があります。

こちらのページにて詳しく解説しておりますので、ぜひ実践してみてください。

痔を予防する肛門トレーニング

正しいトイレの済ませ方を知る

便秘がちの人にありがちなのが、便が出るまで長時間トイレでいきんでしまうことです。

長時間、強くいきむと肛門に圧力がかかり、静脈叢の鬱血を引き起こしたり、硬い便を無理やり押し出すことで裂肛を招き、出血してしまう可能性もあります。

排便の際にいきむ時間は1回あたり5秒から10秒を目処とし、トイレに入る時間も3分から5分程度を目安にしましょう。

もし便が出ない場合でも、無理せず切り上げるように習慣づけましょう。

これら全てを自然と意識できるようになれば、便秘や下痢とは無縁の生活が送られるかもしれません。

まずはストレスにならない範囲で実践するようにしましょう。

まとめ

今回はコーヒーと痔の関係について紹介してきました。体に良い効果をもたらしてくれるカフェインですが、過剰摂取は痔の原因にもなり得ます。

適量を正しく摂取するように心がけましょう。またコーヒーの正しい飲み方だけを身につけても便秘や下痢は予防できません。

正しい日常生活を意識して、痔にならないように努めましょう。

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