痔の根本原因は血液循環の乱れによる内臓疾患である

「辛いものを食べると痔の原因になる」「便座に長時間に座っていると痔になる」…など、痔の原因について調べてみるとさまざまな原因が紹介されています。

もちろん正しい情報もありますが、なかにはトンデモ情報もあり一体どれを信じていいかよく分からないということもあるでしょう。

では、痔の本当の原因とは一体なにか?

痔の治療に携わって413年になるヒサヤ大黒堂では、痔の原因は血液循環の乱れによる内臓疾患であると考えています。

このページでは、痔の原因が血液循環の乱れによる内臓疾患と言える理由や、痔の三大疾患であるいぼ痔・切れ痔・痔瘻の原因の紹介、さらには痔の原因を起こす生活習慣についてもご紹介します。

当ページをご覧になっている「痔かな?」と考えていらっしゃる方は、痔の原因について理解し、痔症状が悪化しないように参考にしていただければと思います。

痔の根本原因である内臓疾患は体内に蓄積された老廃物による代謝機能の衰えから血液環流が乱れることで発生する

痔の原因は、脳卒中や心筋梗塞などの内臓諸疾患の原因と同じく“有害な老廃物”であります。

病変が脳の血管に生じると脳卒中、心臓の冠状動脈に病変が起きれば心筋梗塞となり、直腸・肛門静脈叢(こうもんじょうみゃくそう)や臀部(でんぶ)に発生したものが痔となるということです。

では、“有害な老廃物”はどのようにして痔の原因となり得るのか?

私たちの体は摂取した食物を消化吸収して、不要物を老廃物として排泄しています。

ところが、長年にわたる過労や慢性便秘などさまざまな原因が加わることで排泄機能が衰え、老廃物が体内に蓄積されるようになります。

蓄積した老廃物は次第に有害な老廃物に変質し、体液を汚濁させ血行を妨げる要因となります。

痔が発症する肛門部は毛細血管が複雑に絡み合っているため、血液が澱みやすく細胞や内臓の働きが低下すると病変組織となり痔を発症するのです。

ここまで説明した痔の原因を箇条書きで説明すると下記のようになります。

  1. 長年にわたる過労や慢性便秘などで排泄機能が衰える
  2. 老廃物が体内に蓄積
  3. 蓄積された老廃物が有害な老廃物に変質
  4. 変質した老廃物が体液を汚濁させて血行を妨げる原因となる
  5. 毛細血管が絡み合った肛門部で血液が澱み、病変組織となり痔が発症する

「痔かもしれない」と気づいた時には5の段階ということです。

痔に至るまでには、排泄機能の低下や代謝の衰えがあり、それに伴う血液環流の乱れが痔の原因ということですね。

これが、ヒサヤ大黒堂で痔の原因は血液循環の乱れによる内臓疾患であると考えている理由です。

いぼ痔・切れ痔・痔瘻ごとに症状を誘引する原因が変わる

痔の根本原因が血液循環の乱れによる内臓疾患であるということは理解できたと思います。

つぎは、痔の三大疾患であるであるいぼ痔・切れ痔・痔瘻はどのような原因がきっかけとなり症状を誘引するのかについてご説明します。

いぼ痔(痔核)の原因は生活の中で様々ある

痔の症状の中でも最も発症率の高いいぼ痔(痔核)。

体内に老廃物が溜まり、直腸や肛門にある静脈叢(じょうみゃくそう)がうっ血し、イボ状の腫瘤(しゅりゅう)ができた状態のことを言います。

大きな原因は血液環流の乱れではあるのですが、引き起こす原因を内痔核と外痔核に分けてみました。

(内痔核)

  • 長時間座りっぱなしや同じ姿勢
  • 妊娠
  • 便秘
  • 排便時の力み

(外痔核)

  • 便秘
  • 下痢
  • 酒やタバコの過度の摂取
  • 肉食過多
  • 冷え
  • ストレス

上記は代表的な原因でありこれ以外にも原因は考えられますが、日常生活の中でこれらが当てはまる方はいぼ痔の原因となり得る行動ですので、注意が必要といえます。

切れ痔は排便時に原因が潜んでいる

特に20~40代の女性の方に多く見られる切れ痔。

肛門の皮膚が切れたり、裂けたりした症状のことを言います。

切れ痔の大きな原因は下記のように排便時に集中します。

  • 便秘(排便時の硬便)
  • 下痢

切れ痔は、初期の段階から排便時に激しい痛みを感じることや、出血を伴うことがあります。

切れた傷の痛みのために排便することを恐れ我慢するので、ますます硬便になり便秘症状が悪化して切れ痔の症状が悪化する原因となります。

症状に気づきやすいという特徴もあるので、排便時に「痛い!」と感じたらすぐに治療をすることをオススメします。

痔瘻は下痢の際の排便やウォッシュレットの使用の他、ストレスや免疫力の低下も原因となる

いぼ痔や、切れ痔に比べれば、発症数は少ないものの、治療が最も大変と言われている痔瘻。

肛門括約筋が強い男性に多いと言われています。

直腸と肛門の境となる歯状線(しじょうせん)という部分には、肛門陰窩(こうもんいんか)と呼ばれるくぼみがあります。

ここに大腸菌などの細菌が入り込むことで、炎症が起こり化膿して膿の溜まりができると肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)という症状となります。

肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)は溜まった膿を排出することで治りますが、多くは膿が溜まっていた管である瘻管(ろうかん)が残った状態になっています。

肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)の症状を繰り返し発症することで、肛門内にできた細菌の入口と膿が流れ出た皮膚の表面が1本のトンネルの様に貫通した状態が痔瘻(じろう)です。

肛門括約筋が強い男性はいきむ力が強いため、下痢のときに勢いよく排便された際に、肛門陰窩(こうもんいんか)と呼ばれるくぼみに細菌が入り膿の原因となります。

また、ウォッシュレットを長時間使用することも原因の一つとなります。便が残った状態でウォッシュレットを使用する際、下痢と似たような状態になり肛門陰窩(こうもんいんか)に細菌が入ってしまう可能性があります。

ですので、ウォシュレットを使用する際は、長時間の使用をやめたり勢いを強くし過ぎないなど注意をするようにしましょう。

その他にも、ストレスや免疫力の低下により痔瘻の原因である肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)にもなるので注意が必要です。

日常生活に潜む痔の原因を理解しておく

このように痔の症状によって少しずつ誘発する原因が違うということを覚えておきましょう。

ただ、今紹介した原因はあくまでも症状を誘発する原因です。

根本原因は何度も説明している通り血液循環の乱れによる内臓疾患であり、体内に蓄積された老廃物による代謝機能の衰えから血液環流が乱れることで発生します。

日常生活のなかでも痔の原因を誘発するようなことはたくさんあります。疲労やストレス、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足や冷えなどですね。

以下ページでは、痔の原因となり得る出来事について紹介するので、痔かなと思った方は是非参考にしてみてください。

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